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事業のご紹介

事業概要

熊本県における糖尿病対策と糖尿病医療スタッフ養成支援事業

 熊本県では、県民の糖尿病の発症予防・重症化阻止、糖尿病合併症の発症進展阻止を達成するため、多機関・多職種の連携による切れ目のない保健医療サービスを住民に提供するための体制を整備しようとしています(糖尿病予防総合対策事業;図11と図12)。具体的には、二次保険医療圏域毎の『保健医療連携』、『かかりつけ医・糖尿病連携医』と『糖尿病専門医』との連携、『医師』と『コメディカル』との連携を促進しています。この取り組みにより、受診勧奨を受けた住民が適切な医療機関を受診することが可能(図13)となり、重症化したり管理の難しい糖尿病患者の『かかりつけ医(連携医)』から『糖尿病専門医』へのスムーズな受け渡し(図8)が促進されています。

図11
図11
図12
図12
図13
図13

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 糖尿病医療スタッフ養成支援事業(以下、本事業と省略します。)は、糖尿病診療の中心となる『糖尿病専門医』や『糖尿病療養指導士(CDE)』の養成を支援し、県内の糖尿病医療スタッフの数的・質的充実を目指して平成22年度に開始された事業です。本事業は、平成21年度から開始された『糖尿病予防総合対策事業』(上述)と組み合わさることで、人材育成と保険医療連携体制整備を効果的に促進することを期待されています(図14)。本事業の取り組んでいる仕事を図15にまとめました。

図14
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図15
図15

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 『糖尿病専門医』の資格取得には、日本内科学会認定内科医や日本小児科学会専門医の資格取得後3年以上の期間日本糖尿病学会認定教育施設(県内には13施設)において勤務する必要があるほか、多数の糖尿病患者の診療経験、論文業績や学会発表が必要であり、専門医を増やすといっても一朝一夕には進みません(図6)。従来から熊本大学・代謝内科学講座(荒木栄一教授)で取り組んできた専門医養成支援対策(図14)を継続的に実施していきます。具体的には、研修指導医が中心となり、症例検討会・専門医取得のための研修会の開催、専門医受験申請書類(症例報告)の校正などを実施しています。さらに、糖尿病診療チームの指導的役割を果たせるよう、チーム医療・医療連携・患者教育を実践できる研修カリキュラムを県内の日本糖尿病学会認定教育施設で提供しています。本事業では、上記の専門医養成のための勉強会や研修カリキュラムの円滑な運営に参画していきます。

 本事業では『CDE』(図7)養成を重点課題と位置づけ、熊本大学附属病院在籍のCDE認定試験受験希望者に対して糖尿病勉強会、症例検討会、認定試験直前ゼミ、受験申請書類のCDEと糖尿病専門医による校正を実施しています(図15)。平成23年度はこれらの取り組みを熊本県全域に拡大し、熊本県全体で受験希望者を支援する計画です(図16 CDE勉強会案内はこちら)。

図16
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 本事業では、『糖尿病連携医』の養成と教育にも積極的に参画し、熊本県糖尿病対策推進会議が開催する実務者研修会やスキルアップ研修会に協力しています(糖尿病連携医制度については、こちら)。この年1回開催される糖尿病連携医スキルアップ研修会では、『糖尿病連携医』による症例提示後に、専門医を含む出席者によるパネルディスカッション形式の症例検討会を行っています。糖尿病連携医や糖尿病医療スタッフが適切な治療法(病型や病態の理解、初期対応、専門医への紹介のタイミング、最新の治療法など)を学ぶ場を提供するとともに、連携医制度の拡大や糖尿病地域連携システムの構築にも寄与しています。

 さらに各医療圏域において『糖尿病連携医』と専門医との連携、医師とコメディカルとの連携、保健医療連携を促進、それぞれの顔と顔の見える連携を構築するために、『糖尿病地域連携ネットワーク研究会』(図17~図20)が圏域毎に開催されていますが、本事業では会に先立ち開かれる準備会議のマネージメントを行います。ネットワーク研究会は、各圏域の保健所担当者による糖尿病への取り組みの紹介、市町村保健師および医師による症例提示から構成されます。県内の各医療圏域における糖尿病連携には大きな差があり、課題や問題点も圏域毎に異なっています。本事業では、各圏域の課題や問題点を事前に明確化し各圏域の実情に即したネットワーク研究会となるよう準備会議を開催、症例提示する演者の選定と意思統一を図るとともに、ネットワーク研究会の広報や進行などの実務も担当しています。

図17
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図18
図18
図19
図19
図20
図20
熊本県糖尿病地域医療ネットワーク研究会・鹿本県域
熊本県糖尿病医療連携研究会KDMS Study Group 鹿本圏域研究会
熊本県糖尿病医療連携研究会KDMS Study Group 鹿本圏域研究会

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 本事業は、糖尿病に関する啓発活動を熊本県糖尿病対策推進会議のご指導のもと実施します。昨年度は『糖尿病、なめたらいかんばい!』のキャッチフレーズのポスター・チラシを作成しました(図21)。裏面は平成23年3月31日時点での熊本県『糖尿病連携医名簿』を掲載(図22)しています。

図21
図21
図22
図22

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 本事業は、『糖尿病診療の標準化促進』にも協力していきます。熊本県糖尿病対策推進会議は、『軽症糖尿病、境界型の取り扱いの基本指針(熊本県版)』を作製、近日公開予定ですが、本ホームページでもダウンロード可能となる予定です。今後は、熊本県における糖尿病予防対策と関連の深い事業(図23)の推進にも協力していきます。

図23
図23

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 以上、糖尿病医療スタッフ養成支援事業の重点課題と取り組みについて概説しました。